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五十路日本ひとり旅

2017年01月 | ARCHIVE-SELECT | 2017年03月

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糖質制限効果と人それぞれの事情

 以前ブログで自分も糖尿病予備軍ではないか不安があることを書いた。
昨年8月の健診で糖尿病の指標の一つHbA1c値が高め。(5.5で基準値上限)
また献血時に糖尿病の別の指標グリコアルブミン値も通知され昨年10月時には15.6。
通知書には「基準は16.5未満だが基準値内でも15.6%以上の場合は注意が必要」とある。
基準値について気になり色々調べたことは以前のブログに書いた。
自分なりの結論は「近い将来糖尿病になる可能性があるので生活改善した方が良い!」

ということで昨年9月頃から意識して食生活の見直しを始めた。
当初は試行錯誤しながら始めたが、最近はようやくパターン化した。
現在の標準食事パターンは、朝食パン1枚、昼食麺類(普通盛)、夕食御飯1杯(少な目)。
見直し以降の炭水化物量は、朝食と夕食は約半減、昼食は約2割減らした。
見直したのは主食(炭水化物)のみで副食(主菜、野菜類)は従来と変わりない。
但し前回のブログで書いたとおり、副食で卵は多めに摂ることに努めている。
また自分は間食をそこそこ食べていて普通?程度。甘味摂取の量は従来と同量。

その結果、10月以降の献血時のグリコアルブミン値の変化。
10月 15.6%  → 11月 14.9%  → 12月 14.3%  → 2月 14.7% 
この結果から炭水化物の摂取量とグリコアルブミン(血糖)値は関連していると推測。
因みにグリコアルブミン検査が始まったH21.4~H28.8まで39回献血した状況は、
グリコアルブミン平均値が14.8で、最高値が15.4で、最低値が13.9だった。
最高値、最低値とも冬場の1~2月に記録しており、冬場は運動不足なのに食事は変わらず摂ること、大雪の時は雪片付けが結構な運動量になること等関係していると推測。
また50歳を過ぎたころから昼食後に特に眠気をもよおすことが多くなった。
これも炭水化物の量を減らしてから眠気が生じることが少なくなった。
ただし経過観察はまだ5か月ほどなので、これからも経過観察を続けたい。

さて自分としては効果を感じる糖質制限だが、前回紹介した岩田医師は懐疑的。
岩田医師の主張の要旨(「食べ物のことはからだに訊け!」第1章)は、
糖質制限食が体に良い(=健康的な体型を作る)かどうかは人それぞれ。
夏井医師(「炭水化物が人類を滅ぼす」著者)の場合は体に健康的な効果が現れたが、岩田医師には逆効果(糖質制限したら太った)となった実体験を先ず語る。
そして糖質制限の効果を否定しないが、糖質制限が向かない人も多いと語る。
岩田医師は糖質制限食を批判する人の著作に対しても根拠が不明確とだと指摘しつつ、糖質制限食を推薦する人の著作に対しても誤りを指摘し、糖質制限食が統計的に健康に有効とは断定できないと語る。
岩田医師は、個々人が糖質制限食を行った場合のダイエット効果が人により異なることと同様、糖尿病患者に対する糖質制限食の効果も違いがあるから、各人が試してみるしかない、と結論付けている。

ここでAmazon書評に掲載された2人の医師のコメントがあるので以下抜粋。

「岩田健太郎先生は私の尊敬する医師の一人です。(中略)
この著作は、糖質制限食の元々の意味合い「糖尿病の治療食」という視点が全く抜けており、糖質制限食を「トンデモ」と誤解させるおそれがある本ではないでしょうか。(中略)
糖尿病患者さんにとって糖尿病の合併症は「今、そこにある危機」です。さらに、糖尿病は「完治しない」ですが、2型糖尿病の方に糖質制限を続けると、食後高血糖はおこらず、血糖の変動幅も穏やかになりHbA1cも正常化する方が多数おられます。完治せずとも糖尿病の合併症のリスクは大幅に下がると考えられます。(後略)」

「内科医です。著者の岩田先生については、これまで感染症医、内科医として著書にも触れ大変尊敬してきました。しかしこの本はいけません。(中略)
糖質の作用を考えると、膵臓の疲弊はもちろん、日々繰り返されるグルコース、インスリンスパイクがどれほど血管内皮を傷つけるか、そして細胞増殖因子でもあるインスリン分泌過多の発がんリスク、アルツハイマーとの関連(ほぼ間違いないと言われている)、どれをとっても糖質は全ての人が制限すればするほどよいのは間違いないことです。その点で雨後のタケノコのごとく乱立する、ナントカダイエットとは全く異なる(後略)」

2人の(無名の)医師が共に岩田先生を尊敬する医師と評価しつつ、糖質制限食に疑問を投げかけた姿勢を厳しく批判している。

これについて医者でもない私がモノを言うのは口幅ったい。以下は読書感想。
先ず、岩田先生の物の見方考え方には共感することが多い。
人間は各人各様であり効果にも個体差がある、という点はそのとおり。
同じ物を食べても太る人もいれば痩せる人もいることも、ある程度納得する。
しかし、「同じ物を食べても」の「同じ物」が何かは重要な点。
例えば、昔は食用とされたキノコが今は毒キノコとされるケースがある。
昔は食用の「スギヒラタケ」は、腎臓の弱い人にとり危険なため、現在は毒キノコ。
(参考サイト:https://r25.jp/topic/00037818/)
一部の人に危ない物を毒扱いする一方、食物アレルギーの小麦等は毒扱いしない。
前回ブログで「レバ刺禁止」した厚労省の対応を批判した岩田医師の本を紹介した。
食には危険がつきものであり危険防止には食物を扱う人間の注意が重要ということ。
「レバ刺」も「ふぐ」も「昔は食用だった毒?キノコ」も食材処理や食べ方に留意すれば大多数の人には害のない食べ物。
稀に危険があることを理由に一律禁止するのは食の可能性を狭めることに繋がる。
その観点からは岩田先生の「自分で試して確認してみる」という主張には賛同する。

岩田先生はその主張を糖尿病患者にも拡大し糖質制限食が自分に合うか試してみれば良いと主張する。
確かに人間には個人差があるので「試してみる」ことは大切だ。
しかし一方で、医者としては無責任な発言とも感じられる。
第一に、岩田先生はダイエット目的と糖尿病予防目的の糖質制限食を同一視している。
ダイエットは個人の自由なので、好きにすれば良いこと。
一方糖尿病は悪化すれば足切断、視力喪失、人工透析等の重大な危機が生じる病。
病気治療にも長期に多額の医療費が生じ、個人にも社会にも重大な損失。
更に医学界は今まで「糖尿病治療には厳しいカロリー制限が必要」と宣伝してきた。
「カロリー制限は不要で糖質制限が有効」なら医学界全体の大問題のはずで、岩田先生を含む個々人の医者にも真剣に考えてほしい問題だと思う。

医学は、個々人レベルの相違点を踏まえつつ、人間に共通する課題とその解決方法を探る学問だと思う。
岩田先生は実体験のみを根拠に「個々人に任せればよい」と主張している訳ではない。
「糖尿病の栄養バランスについては炭水化物、タンパク質、脂質の理想的な比率については分からないので患者個々の事情に合わせて個別化しましょう、と米国糖尿病学会のガイドラインでは推奨」していると述べ、根拠も書いてはいる。
しかし私が読んだ狭い書物の範囲だけでも、実際の医療現場で糖尿病に糖質制限食の効果が現れていることが報告されている。
できるならば医学界は、実際の医療現場の情報を共有しながら、患者のためにより良い情報を提供することにもう少し前向きになってほしい。

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| 健康管理 | 21:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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卵の効果と食品のメリット・デメリット

2月17日放送NHK「あさイチ」で世界的バレリーナの吉田都(50歳)がゆで卵を毎日6個ほど持ち歩き練習後に食べることを習慣にしていると話していた。
専属トレーナーの指導を受け習慣化したとのことで身体の調子も良いらしい。
以前ブログで「卵は一日に1個以内」説は完全否定された事を書いた。
しかし未だに「コレステロール値が高ければ卵は食べない方が良い」と考えている人が多いかもしれない。

自分の総コレステロール値は過去10年の献血データで150~200で基準値内。
このため卵の摂取量は特に気にせず一日0個~1個食べる程度だった。
ところが最近卵は積極的に摂った方が良いという本「卵を食べれば全部良くなる」「医学常識はウソだらけ」に感化され最近数か月は一日1個~2個必ず食べるようにした。
自分は毎年冬期間は必ず手のアカギレに悩まされている。冬以外にも時々発生し軽症なら手の皮が剥けてひび割れが生じ重症なら血が滲む。
それが今年の冬はそれらしい症状が全くない。この数十年経験のない嬉しい出来事。
更に年に数回はある歯磨き時の歯茎の出血や痔の出血もない。
また年に数回行う献血で終了後の止血用絆創膏に付着する血液量も減少した。
卵の摂取量を増やしたら皮膚や血管が丈夫になったのではないかと推測している。
全ての蛋白食品の中で卵の蛋白質が最も優秀でありプロティンスコアが100点満点。
皮膚や血管の修復に欠かせない良質のタンパク質を卵から頂いている可能性がある。
コレステロール値を含め今のところ悪影響症状も無いが今後も経過観察を続けたい。

多くの食べ物には二面性、「良い面と悪い面」「薬と毒」があると思う。
一方的に良い物はなく一方的に悪い物もない。
以前ブログで糖質制限の話を書いたが、糖質(炭水化物)も良い面と悪い面がある。
摂り過ぎてもだめだが摂らな過ぎてもだめで、しかも適正な摂取量は人それぞれ。
何事もバランスが重要でそのバランスは人によりまちまち。
糖質制限の件は後日談を含めて改めて書こうと思う。

食べ物の二面性について考えるキッカケは次の2冊の新書。
「リスクの食べ方」「食べ物のことはからだに訊け!」(共に岩田健太郎著・ちくま新書)
「リスクの食べ方」は食中毒事件をきっかけにレバ刺が禁止になった事例を取り上げ、レバ刺禁止の発端の腸管出血性大腸菌がレバーに由来しない(肉処理の手順に由来する)ためレバ刺禁止は的外れであることが詳細に語られている。
そして感染症治療専門の著者は様々な細菌とそのリスクを語り、細菌と共生する人間にはリスクゼロの社会は不可能であり如何にリスクと向き合うかを考えるべきと語る。
更に本書は巷に溢れる健康情報本や放射能リスクにも言及し、一方的に善し悪しを断定する危険性を論じている。
「食べ物のことはからだに訊け!」は「リスクの食べ方」で触れた健康情報本の独善性を更に掘り下げた本となっている。
岩田医師の主張の要旨は、「健康本」は自らの主張を正当化するため自分に都合の良いデータは過大評価する一方で都合の悪いデータは無視している。健康本にも一理ある点は認めつつも「〇〇は健康に良い」と断定的な書き方をすることは真摯な態度と言えない。人間は千差万別なので最終的には自分自身で食物の効果を確認するのが重要という主旨。
この本では糖質制限のことも取り上げられて疑問点もあるが、別途考えたい。

糖質制限に関する主張を除き岩田医師の主張にはとても共感できた。
・食べ物には効用と共に様々なリスクがあること
・人間は多くの菌と共生し人間も多様なら菌も多様でありリスクゼロは不可能なこと
・最終的には自分の健康は自分が身をもって確かめる必要があること

先述の「医学常識はウソだらけ」では著者三石巌博士が白内障を患い医者に数年で失明と宣告された時、多くの医学文献を調べ白内障にはビタミンCが有効なことを知る。
妻と同じ食生活をしながら自分だけが白内障になった理由は著者の体質がビタミンCを多量に必要だからと推測し、それ以来ビタミンCを大量に摂る生活を始めた。
医者を当てにせず自らの信念でビタミンCの大量注入を続けた結果は、35年間失明せずスキー旅行中の肺炎で95歳の生涯を閉じた。
私自身も過去20年原因不明の筆記障害に悩みコーヒーが原因と突き止めた時に、多くの人が問題なく飲用するコーヒーだが自分の体質に合わないことを身をもって知った。

つくづく健康とは各人で様々なのだと感じさせられる。
では、健康に関する効果や弊害が各人各様ならば健康情報自体が無意味なのだろうか?
自分の糖質制限生活や岩田医師の新書の話と共に次回のブログで考えてみたい。 

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| 健康管理 | 15:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「我慢の限界」に対応するには(その2)

 トランプ大統領の「入国禁止令」の正当性主張を連邦高裁が却下した。
イスラム過激派のテロからアメリカ国民を守ろうとする目的は正しい。
しかしテロに無関与のイスラム圏7か国からの入国禁止は過剰?防衛。
まるでブッシュ大統領が9.11でテロと直接関係ないイラクを攻撃したのと類似?
対策が間違っていては目的を達成することはできない。
誰が味方で誰が敵かを色メガネで見分けてはならない。

私たちの身体の中で外敵から身を守ろうとする代表的反応が免疫反応。
外から身体に入る物が有益な食物なら通過できるが有害物なら免疫細胞が攻撃する。
興味深いことは免疫細胞が有益か有害かをどうやって見分けているのか?
トランプ大統領の命じたイスラム圏7か国からの入国禁止令は今回は否定された。
しかし今回の件が反感を招き将来イスラム諸国が米国を敵と見なすかもしれない?

身体の中も同様に、過去には有益な食物でも将来有害となる場合がある。
ということで食物アレルギーの話の続き。
前回ブログで突然アレルギーが発症する仕組みをバケツから溢れる例で説明。
人間は各人毎に異なる大きさや種類のバケツを持っている。
だから小麦用バケツが小さいと少量でも小麦アレルギーが発症したりする。
即時型の場合はIgE抗体、遅延型の場合はIgG抗体ができることが問題になる。
本来抗体は白血球等が異物を排除するための目印の役割をする。
しかし食べ慣れない物の摂取、健康を意識した義務的な摂取、過食等により身体の許容限度を超えた摂取等でアレルギーを誘発するらしい。
【参考】「隠れフードアレルギー」上符正志著IDP新書2015年刊
臨床検査技師が運営する健康・医療情報ブログ(http://kenko-arekore.com/archives/293.html)

アレルギーには、食物アレルギーの他に花粉アレルギーもある。
NHK「シリーズ医療革命~新アレルギー治療」(H29.1.2.再放送)
番組で花粉症の要因と対策が紹介された。
米国アーミッシュの人々は日常的に牛の飼育をすることで身体が花粉症になり難い。
牛の身体や糞内にある様々な細菌を体内に取り込むことでTレグ細胞が発達する。
Tレグが発達すると花粉等の異物への免疫反応が抑制され、花粉症にならずにすむ。
因みに花粉症の都会人が田舎に移り住み家畜の世話を数年すると花粉症が治る。
細菌の排除を進めてきた人間社会が花粉症を作り出す原因だったのだ。
【参考】シリーズ医療革命のネット情報がないため類似のネット情報を参考掲載。
 ネタの森(http://soukai213.com/allergy-nhk)

前述の新書「隠れフードアレルギー」では食物アレルギーと花粉アレルギーが連動している場合もあることが紹介されている。
本来は異なる種類のアレルギーだが、食物アレルギーで身体がアレルギーになり易い体質になっていると花粉アレルギーにもなり易くなる。
アレルギー原因を取り除いた除去食で食物アレルギー体質を改善していくと花粉症も改善する例があるそうだ。

花粉アレルギーの改善に細菌が重要な役割をすると書いたが、細菌は更に価値がある。
NHK「シリーズ医療革命~腸内フローラ」(H29.1.2.再放送)
腸内フローラとは腸内細菌群のことで、ガン、糖尿病、肥満や美容にも効果がある。
米国ではディフィシル感染症が深刻化して年間1万人以上が死亡しているそうだ。
そして最新の治療法として便微生物移植という治療法が紹介されていた。
健康な人の便を水に溶かし大腸内視鏡を使って患者の腸内に移植する治療法!
健康な人の糞の中の沢山の種類の良質な腸内細菌を活用する事例。
【参考】前述と同様、ネタの森(http://soukai213.com/hunben-transplant)

腸内の菌というとO157等の病原性大腸菌が有名で悪者のイメージが強いが、大腸菌は無害な菌が多数を占め、有益な腸内細菌が沢山ある。
人間には大腸のほか身体の表面にも多くの有益細菌が住み着き人体を守っている。
現代社会は清潔を追及し細菌は汚いものとして排除しようとする。
その排除が「限界」を越えた時、人間は発病したり、不調に陥る。

人間の身体は細菌の多様性により守られ、細菌が減少すると人間の身体も弱る。
食事も偏るとアレルギーになり易く、種類を増やすことで多様な栄養を取り込める。
米国は多くの移民を受け入れて多様性を武器に発展してきた国。
イスラム諸国からも沢山の優秀な人材が入り米国という国を支えている。
国家にしても、人間の身体にしても、多様性が大切ということだろうか。

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| 健康管理 | 21:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「我慢の限界」に対応するには(その1)

人間の身体の反応と、社会の変化の反応は似ているのだろうか?
人間も社会も「我慢の限界」に達した時に、変化が生じるということかしら?

アメリカにトランプ大統領が誕生した。
アメリカは超格差社会で貧困や不満が「我慢の限界」に達しトランプを選択した。
そしてテロへの恐怖が「我慢の限界」に達し大統領が入国禁止令を出した。
人間の身体でも「我慢の限界」が発生している。
今年もまた花粉の季節が来る。花粉症になる人は年々増加しているらしい。
花粉症アレルギーも「我慢の限界」を越えることで発症する。

アレルギー反応を説明する際にバケツを例に語られるそうだ。
アレルギー物質を処理するバケツに余裕があるうちはアレルギーは表面化しない。
バケツが満杯になり更に原因物質が入ろうとすると、身体が「我慢の限界」を越える。
そしてアレルギーが表面化する。バケツの容量は百人百様。

食物アレルギーには即時型アレルギー、遅延型アレルギーがあるらしい。
(「隠れフードアレルギー」上符正志著IDP新書2015年刊より)
即時型は食事後1時間以内に蕁麻疹や呼吸器、消化器に異常が発現。
一方、遅延型は食事後半日程度で即時型より様々な症状が発現する。
アトピー、胃腸障害、口内炎、むくみ、うつ、不眠、疲労、その他多数。
私自身には超遅延型?のアレルギーがあるかもしれない。

以前ブログで自分はコーヒーが苦手と書いた。
30年以上前に職場でコーヒーを多飲していた時期、筆記に障害が現れた。
字を書いていると指先の感覚に徐々に異常が現れ、字を書き続けられなくなる。
最初はコーヒーが原因と分からず、整形外科で書痙と診断を受けマッサージ治療した。
しかし半年ほど治療しても症状が改善せず、原因不明のまま治療継続断念。
当時は徐々にワープロ・パソコンが普及しつつあり、運よく字を書く仕事が減った。
10年以上悩み続けた後、コーヒーを疑い飲用を控えたら徐々に改善していった。

また20年ほど前に仕事で残業した際に空腹を満たすためカップ麺を一度に2個食べた時に強烈な吐き気に襲われたことがあった。
それまではカップ麺大好き人間で1週間に5個ぐらい食べていたが、それ以来なるべくカップ麺は控えるようになった。
コーヒーの場合は症状が非常に遅く現れる超遅延型アレルギーだと自分は考えている。
つまり私のコーヒー飲用許容限度が普通の人より相当低いため、身体の神経かどこかに悪影響を及ぼし指先の細かな作業に支障を来したのではないか。
またカップ麺も食物アレルギーと言っていいかは分からないが、限度を超えると身体に悪影響が現れた事例だと思う。
このような体験から、食べ物と体調の関係については特別注意を払うようになった。

食物アレルギーの多くは食物成分のうちタンパク質に反応するらしい。
タンパク質は分子量が大きく身体が吸収するためには分解が必要だが、分解が不十分な時に体内で免疫が異物と判断し攻撃することでアレルギーが発生する。
タンパク質と一括りされるが実際は非常に多種類で、分子量は数千~数億。
タンパク質は20種類のアミノ酸があり、うち9種類の必須アミノ酸が特に重要。
多くの食品は必須アミノ酸が不揃いであるが卵だけは必須アミノ酸を完璧に満たす。
この卵を始め野菜、フルーツ、乳製品など有益な栄養源がアレルギー要因なのは問題。

私のような嗜好品のコーヒーが原因なら飲まなければ良いだけだが、小麦等多くの食品に含まれるような場合は、避けることが難しくなる。
私の場合のコーヒーやカップ麺はタンパク質以外の要因の気もするが、続きは次回ブログ。

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| 健康管理 | 10:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「ガン」と「ドラマ」と「生き方」について

自分の家系の主な死因は「ガン」よりも「あたり」系統。
自分の記憶する範囲では、1人の叔母のみがガンで死亡。
このため「ガン」と聞いても切迫感がない。

しかし正月明けに放映された市川海老蔵・小林麻央夫妻の闘病番組には感銘。
また最近「湯を沸かすほどの熱い愛」という「ガン」映画を観て貰い泣き。
宮沢りえ演じる主人公が余命2か月の末期ガンの宣告を受ける。
最初は悲嘆に暮れたが、自分の使命を果たすため余命を生き抜く。

【以下ネタバレを含む粗筋】(役中の名前でなく俳優名で粗筋紹介)
主人公宮沢りえは銭湯の女将だが旦那のオダギリジョーが1年前に失踪し銭湯は休業。
ジョーは過去の浮気相手の女から2人の間に出来た子の養育を頼まれ、浮気女は失踪。
りえはガンが判明後、探偵を使い失踪旦那を見つけ、旦那と浮気相手の子を家に連れ帰る。
家には中学生の娘(杉咲花)がいるが、中学校で同級生からいじめを受けている。
りえは気弱な旦那に活入れし、小学生の腹違い子も家族同様に扱いながら銭湯を再開。
気弱な花もりえの励ましを受け何とかいじめ生徒に立ち向かい自立していく。
しかし実は花もりえの実の子でない。花を生んだ母は聾唖者で育てる勇気がなく離別。
りえは自ら死ぬ前に花を生母と花を会わせるため小学生の子と3人で旅に出る。
旅の途中で目的のない旅をする松坂桃李に出会い、りえは彼に生きる目的を与える。
無事に花を生みの親に合わせるが、りえ自身が実は母に捨てられた過去がある。
捨てた母を探し出したりえは母に会いに行くが、母は過去を否定してりえを拒絶。
りえの余命が尽きようとした時にりえを大切に思う人達から最後のメッセージが届く。

粗筋では映画の良さは伝わらないが、宮沢りえと杉咲花始め俳優全員が満点演技。
正直な話、ストーリーは作り過ぎで、りえの強い生き方を強調するため盛り沢山過ぎるエピソードが多少鼻についた。
それでも脚本兼監督の「熱い愛」は伝わっており演技には素直に感動した。

この映画を見て直ぐ思い出したのが私の生涯のベスト1映画、黒澤明監督「生きる」。
昭和27年公開。劇場で4回ぐらい、ビデオで5回ぐらい見たと思う。
主人公は宮沢りえ同様、末期ガンの初老男性(志村喬)。
事なかれ主義で生きてきた定年間近かの主人公の役人が、ある日末期の胃ガンと分かる。
助けを求めようとした家族に冷たくされ、酒に溺れ、役所で働く若い女性の生き生きした姿に救いを求める。
しかしそれも儚い現実逃避と悟り、自分に残された時間をどう使うか考えた時、若い時には純粋な気持ちで仕事に取り組んだ心を再び取り戻し、残された僅かな時間を必死で生き抜いて、心に沁みるラストを迎える。
ゴンドラの唄「いのち短し恋せよ乙女」の挿入歌が印象的に使われている。
2つの映画の話はいずれもガン宣告を受けた後に自分の人生を全うした話。

以前のブログで、田部井淳子さんのガン闘病と登山の話を書いた。
田部井さんもガン宣告を受けた後、自分の残りの人生を他人のために尽くした人。
ガン宣告を受けた後は抗ガン治療を続けつつ、出来る限り登山に出かけ福島の高校生に富士山に挑戦する素晴らしさを体験させ続けた。
田部井さんや冒頭で触れた小林麻央さんは、闘病と生きがいを両立しようとする。
宮沢りえや志村喬役の主人公は闘病を捨てて生きがいを選ぶ。
どちらも人それぞれの生き方。

一方で、ガン宣告を受けた後、独自で懸命にガンに闘いを挑んだ人もいる。
英国のスカープラという27歳の男性がH24年に余命2年以内の脳腫瘍と診断された。
効果的治療法は無く、本人は大学時代に専攻した栄養学の知識を基に食事を見直した。
体内のガン細胞を飢えさせるため、1日の炭水化物摂取量を1g以下にする。
一方でビタミンミネラル等の栄養素摂取のため羊の脳や心臓、コオロギを毎日食べた。
その結果3年後には本人の脳腫瘍はほぼすべて消えた(完治ではない)。
英科学雑誌に掲載後、医学界はこの事例に驚愕。偶然彼に発生した事例か、また後遺症はないか、再発の可能性はないか、様々議論がされているが、現在英国や米国の一部の医師が研究調査を行っている。
「コオロギと羊の脳みそを食べて脳腫瘍治した究極の食餌療法」より要約抜粋(文責筆者)
(Courrier Japon H29.2.掲載)
スカープラ氏の場合は、3年間の不味い食事の後で死亡する可能性や、栄養バランスを少し間違えてもクモ膜下出血等の危険性もあったという危険な闘病生活。

因みにスカープラ氏の脳腫瘍に対して効果を発揮した一因の「糖質制限食」に関しては、東洋経済オンライン記事の中に古川健司医学博士の記事が掲載されている。
簡単に言うとガン細胞の唯一のエネルギー源は糖だけ。一方人間は脂肪をケトン体に変えエネルギー源にできるため、ケトン食を続けることでガンを減らしていくことができる。
但しケトン食を続けることが危険な場合もあることは要注意。
「がん細胞を兵糧攻め!究極糖質制限の威力」より要約抜粋(要約文責は筆者)
(東洋経済オンラインH28.11.10.掲載  http://toyokeizai.net/articles/-/144042 )
「ケトン食ががんを消す」(古川健司著、光文社新書H28刊)と言う本も出ている。
この他にも同内容の書籍があるので紹介。
「ブドウ糖を絶てばがん細胞は死滅する!」(福田一典著、彩図社H25刊)

冒頭に触れた私の叔母は7年ほど前に70歳代後半に乳癌で他界した。
叔母は乳癌診断を受ける以前から乳房にシコリがあることや、乳房の脇に黒ずみがある等の異変を分かっていても医者には行かなかった。
医者に行かなかった訳を直接尋ねたことはなかったが家庭事情の要因があったとは思う。
しかし叔母は母方の兄弟姉妹の中で最も聡明で気丈夫な人で、グチや弱音は一切言わなかった。
最後は抗がん剤による延命治療で意識がハッキリしない状況が1か月ほど続いた後に亡くなった。臨終前から立ち会ったが、変わり果てた叔母の姿が今も深く脳裏に焼き付き、人間の死に際を深く考えさせられた。
叔母は家族のため闘病を一時放置。最後は闘病に力尽きて逝った。

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